第19作 寅次郎と殿様 伊予大洲ロけ  

基本データ


2012/07/22(日)に男はつらいよ第19作「寅次郎と殿様」のロケ地、四国は愛媛県大洲市に行ってきました。梅雨明け間近の天候不順の中、取材を敢行。
途中、寅が出て行くときのような雷雨に見舞われましたが、どうにか廻ることが出来ました。
本当のところ、1泊2日の考えでしたが、宿がとれず(予算が合わなかった?(ーー;)往復500km超の弾丸取材ツアーになりました。アラカンの世代に入っていますので、正直、疲れます(笑)

この作品は全作品の中でも評価が高く、僕も喜怒哀楽のバランスが良く取れていて楽しい作品だと思います。
「鯉のぼり事件」「トラの糞事件」の往復ビンタを受けた寅は、いつものように家を飛び出しました。行き先は伊予の大洲(愛媛県)。旅先の宿(伊洲屋)で、死別した旦那の墓参りに来ていた今回のマドンナ堤鞠子(真野響子)と出会うのです。
いつものように一目惚れ→親切→とらやへの誘導→自分もとらやへ・・・・・のパターンが大洲の殿様の出現で意外な展開になりました。
その大洲ロケは本編22:24頃から始まります。まずは夢から覚めて・・・・・・・




   【1】下灘駅で目覚める



プロローグの夢は、ゲストの嵐勘十郎さんをリスペクトしているような、茶化しているような股引を履いた「鞍馬天狗」(笑)いつものように夢なのですが、目覚めたところは予讃線下灘駅です。
今でこそ各メディアで「海に一番近い駅」として評価されていますが、この「男はつらいよ 寅次郎と殿様」が発端であることは間違いないでしょう。今は無人駅。

「お客さん・・・・お客さん?」

「ん?」

「上りが来ますよ」

「えぇっ?」

「上りが来ますよ」

駅員に2度起こしされた寅は夢から目覚めます。すっかり寝転けているのか、寝起きは悪そう(^^ゞ
この下灘駅から伊予灘を見る風景は、それはそれは雄大で美しいですね。日本海のような大波もありません。訪れた当日も穏やかな海面が広がっていました。
「夕うやけこやけライン」と名を打たれた国道378号線を西進しますと、本当に「日本で一番海に近い駅」がありました。

撮影当時は国道が整備されていないないのでさらに海に近かったのでしょうね。
上りが来ますよ、と駅員が言ってる(見えないけど体の動きも電車が来る方向を指している)のに、引きの画面では「下り」電車が映ります。ご丁寧に、寅が歩く姿が小さく映っていますね(笑)
事前に、引きの写真が撮れる場所を教えてもらったのですが、フェンスで閉められていました(ーー;)


Pinpoint Map ! 当時はまだ国道378号線が整備されていなかった

youtube穏やかな伊予灘は不滅です! 

 Click ↓       

本編ではテンポ良く話は進み、20:45までに「鯉のぼり事件」と「トラの糞」事件が起こり、寅はいつものように旅に出ました。
たたみ掛けるコントは秀逸でキャストのコンビネーションも良く、関西人の僕でも何時でも何回見ても笑ってしまいます。シリーズの中でも一番の評価をする人がいるのも頷けますね。
旅の場面はいきなり伊予は興居島(こごしま)へ行く小型フェリーの中にカメラがあります。興居島の泊港から厳島神社(日本にいくつあるの?・笑)でバイをする寅です。
渥美さんが一番波に乗っている頃でしょうか、体も絞れていますし、口も軽いですね。旧暦の7月17日に厳島神社で行われる「管弦祭」の設定でしょうか?
Pinpoint Map !
 Click ↓

取材は時間の関係上パス(^^ゞしましたm(__)m


   【2】鞠子の墓参り                                このページのTOPへ



シーンは22:24から主なロケ地の大洲に移ります。
真野響子さん扮する今回のマドンナ「堤 鞠子(つつみまりこ)」が死んだ亭主の墓参りをしていると言うシーン。このお寺は法華寺と言って大洲市の街外れにある険しい山の中腹にあります。
どうあがいても車が入れそうにないスイッチバック式(笑)のアプローチを歩くと、日頃ウォーキングで鍛えている僕でも少々へばりますね~階段じゃなく坂道(スロープ)です。
小休止を入れるタイミングを逸してずるずる登ってしまいました。とは言っても総距離は200mありませんが ┐(´ー`)┌


鞠子が見ている北方向は、今現在、竹林に覆われていて展望できませんでした。やや東方向です

Pinpoint Map !



     【3】鞠子の墓参り②                               このページのTOPへ



お参りを終えて山門から出てくる鞠子。現在、もちろん白壁は塗り直されていますし、石積みは補強されています。

しかし、この補強の具合は尋常ではありません。山の壁面に建つこの法華寺は、ブロックが崩れ去ると、おそらく寺本体も崩れると思います。どうしてこんな所に建てたのか不思議ですが、墓としては街を見下ろす絶景地にあるので先人が無理をしたのでしょうね。
補強コンクリートから飛び出ているでっかいピンのような物は、「ロックボルト」と言って地中奥の岩盤まで長さがあります。場所によっては数メートルにもなるでしょうか。
底までグリグリ回転しながら心棒を差し込み固定します。ちょうど歯医者さんで差し歯を入れるときの方法を思い出してください(笑)それの大袈裟な奴です。
ここの場合、かなりな本数を打ち込んでいますね・・・・真下に家が数軒あるので少し怖い場所です。普通、人が歩く通路にはロックボルトの突起を出さないように工夫するのですが、むき出しです。(サムネイル参照)よそ見をしていたりすると蹴飛ばしそうですが。


かなりのヤバイ状態だったようです。突き出ているのがロックボルトのピンカバー

 Click ↓

 






   【4】おはなはん通りを歩く鞠子                   このページのTOPへ



お墓参りを終えた鞠子は、大洲市の市街地にある通称「おはなはん通り」を歩いています。子供達が遊んだりする姿が映し出されて生活感があふれていますが、実際は観光のために保存された通りです。
昭和30年頃の生まれの人なら良く覚えている、NHKの朝ドラ「おはなはん」のロケ地であり、それを機に観光用に保存してあります。
現在は漆喰(しっくい)など塗り直されていますが「おはなはん」が放映された昭和30年~この作品が公開された昭和52年頃の面影はありませんね。雰囲気だけですが、もちろん良い感じであるのは相違ありません。



 ↑塗り替えて綺麗にはなったけど、昭和の匂いは消えてしまいましたね

Pinpoint Map !

 ↓鞠子さんはおはなはん通りを西から東へ歩いています




    【4】-1 おはなはん通りを歩く完治とリカ            このページのTOPへ


話は少し脱線しますが、今作品のロケ地である大洲は1990年代のスーパードラマ「東京ラブストーリー」のロケ地でもあります。
年代こそ違いますが絵になる場所ってあるのですね。


元祖である「おはなはん」は言わずと知れた、1966年放映のHNK朝の連続ドラマです。そう言えば、家の母親も必ず見てたな(笑)この15分間は話しかけたら怒られたし。
森光子さんが急病・ドタキャンでなかったら樫山文枝さんは日の目を見なかったかも?と言われるくらいの緊急登板。この10年後に男はつらいよ第16作「葛飾立志篇」1975年公開のマドンナを演じますが、それもなかったも知れません。「おはなはん」あっての「礼子さん」なんですよね。また、「おはなはん」の原作設定は徳島だったのですが、古い街並みの残るこの大洲市にロケ地を変更したそうです。やはり、これも「おはなはん」あっての大洲市なんですよね~(^^ゞ

ちなみに「おはなはん」のテーマ曲はオルゴールのようなインストゥルメンタルでしたが、レーコード版では我らのさくら(倍賞千恵子)が歌っています。youtube


完治とリカは東から西に歩いています。





   【5】冨士山(とみすやま)からの遠景               このページのTOPへ



おはなはん通りからのシーンの後に差し込まれている望遠風景。これは大洲市の東方に位置する冨士山(とみすやま)の頂上展望台から。
頂上までの道路が整備されていて、おまけに展望台は3階建て。少々、オーバースペック気味ですがその分開放的です。駐車場トイレ完備。お弁当を景色の良い外で・・・・と考えるなら絶好のポイントです。当然の事ながら、春から初夏の花の季節と、秋の紅葉時期には人口密度が高くなるのでしょう。
余談ですが、大洲のトイレは何処でもキレイで気分が良いです(^0^)


Pinpoint Map !   ↑引きのカットは今も昔も変わりませんね↓    youtube

 Click ↓


売店、トイレ有り




   6】黄昏れる鞠子さん                              このページのTOPへ



時間がかなり経過していますね。7月の設定ですからこの暗さだと午後7時過ぎでしょうか。鞠子は宿に向かいます。
上の屋根のない船が「鵜飼い漁」の船で、下の屋形船が「鵜飼い遊覧船」です。本当はこの時間あたりから鵜飼いが始まり、遊覧船ではアユに舌鼓を打ちながら見学できます。

それにしても、ここまで鞠子(真野響子)さんのセリフがありません・・・・・

Pinpoint Map ! 船は今も木造の和船?youtube

              
 Click ↓

   
                                    東ラブ

 



     【7】伊洲屋の正体                                     このページのTOPへ



鞠子は宿屋に戻ってきました。あたりはすっかり日が暮れています。伊洲屋の裸電球の外灯が寂しいカットです。
このシーンは作中ではほんの3秒ほどしか出てきません。その後の屋内シーンは全て大船セット内でしょう。バックの空の色からして、僕はここもセット撮影の説を崩していませんでしたが、さすらいの寅リーマンこと寅増さんが現地に出向かれ、一軒の荒ら屋を「伊洲屋」のモデルじゃないかとピックアップされました。しかし、写真を見せていただいてもイマイチ、ピンと来ません。何故ならあまりにも荒れ果てていたからです。これは現地で確認せねば・・・と今回、一番楽しみにしていたポイントです。
寅増さんは2階の障子、下の階の格子戸、そして決定的なのが「裸電球の外灯」とその向こうに見える黒い影は?・・・・・さてどうでしょうか!


Pinpoint Map !  ↑ここは一つ、「寅さんミュージアム大洲」として整備保存、開放して欲しい!youtube


みごとに一致します。間違いはないでしょう。暗くて判らないバックの陰は、実は堤防だったのです。場所は旧油屋の敷地内だ、ってことも確定するのにプラス材料です。
正直、この3秒のカットだけのために、この家に「伊洲屋」の看板を取り付けたとは思いもよらなかったので、大変勉強になりました。
もっと疑って画面を見なければなりません(笑)。本来の映画の楽しみ方じゃぁない!とおっしゃる方もおられますが、それだけじゃもったいないと思います。
美味しい料理を美味しく食べるだけでなく、材料や、調理法、器や合うお酒、さらには似た様な料理との比較など、楽しむバリエーションを増やすほうが絶対楽しいです。


もちろん、本編あってのロケ地ですけどぉσ(^◇^;)

で、書いていて、繰り返しDVDを見ていると、少々引っかかる点が出てきました。それは、宣伝効果があるのに何故わかりにくいカットを使ったのだろう?と言うことです。
モデルとなった油屋旅館は後年、東京ラブストーリーでもロケに使われ、ちゃんと玄関の屋号が映っています。なのに、名作「男はつらいよ」ではロケ地マニアが解析しても作品を見ただけでは絶対解りっこない場所を選んでいるのです。何故でしょう??妄想的見解は興味ある人だけこちらに(笑)


細かすぎて伝わらない妄想伊洲屋の秘密!

 Click ↓



   【7】-1 油屋旅館                                         このページのTOPへ


ここで大洲の老舗、油屋旅館について。この作品では「伊洲屋」として出てきます。一文字二文字ひねって固有名詞をパロっているのは、シリーズ中でも少なからずあり、地方ロケの時には地元名士、老舗店舗などの名称で見られます。ロケ地エリア内で目的にあった老舗旅館が「油屋」だったということでしょうね。「伊洲屋」の伊は伊予の伊でしょうし、洲は大洲の洲、で間違いのない所ですが、ひねりがないのは「油屋」を連想して欲しくないのかな(^◇^;)?
少々乱暴な推測ですがこの時代の映画、TVドラマは、今のドラマのように、遠く離れたロケ地のピンポイント映像をデジタル編集するのではなく、一つの街(エリア)をロケ地としてストーリーを展開さていますね。だからこそ、僕らも地方ロケ地の調べ甲斐があるのです。ストーリー上のスパイスになる、たった一秒しか映らない四つ角や、薄暗い外灯だけが目印の宿などを見出すことに無上の喜びを感じるのです。

油屋旅館は後に食事処として改築されましたが、現在は残念ながら廃業されているようです。老舗の「油屋」を建て直した店舗だけが残っています。その看板は「東京ラブストーリー」でも大きく映し出されました。中には本当のご主人らしき人も大写しです。なんと、「男はつらいよ」から十数年後のTVドラマで完全に営業中の油屋さんの玄関が映っているのです。NET上に資料が少ないのがイマイチですが、ゆっくり廻ればジモティに話が聞けるかもしれませんね。

Pinpoint Map ! 営業中だった頃の油屋。下は東京ラブストーリーでの油屋旅館の玄関


 Click ↓ 油屋旅館のご主人らしき人にリカの写真を見せる完治






   8】朝の風景                                        このページのTOPへ


伊洲屋旅館の話は本編の29:40まで。
寅はおなじ「伊洲屋」に宿泊している、なにか訳がありそうな美人、堤鞠子(真野響子)を気に掛けます。下心がありそうな、なさそうなやり取りには、じれったさを感じますが、持ち金を確認せずにアユをご馳走したり、おみやげに「川魚の佃煮」を持たせたり。で、いつものパターン「なにかあったら、とらやにおいでよ!」の殺し?文句 ┐(´ー`)┌
しかし、寅次郎的「♂のプレゼンテーション攻撃」は全作品中、今作のヒロイン鞠子さんに対してが一番多かったのではないでしょうか?後述のとらやでの接待をのぞいて、夕飯のアユの塩焼き、お土産の川魚の佃煮、東京へ帰ってのバナナ?(1:09:45)・・・・・よほど鞠子さんがお気に入りだったのでしょうね。

シーン変わりに朝の風景が4点、挿入されています。
・川面に映る冨士山 ・肱川大橋と屋形船 ・四つ角風景 ・子供達の登校風景
肱川が映るシーンの撮影地は簡単に判りますが、街中になるとそうはいきません。子供達の登校風景もバックに白壁土蔵が映っているので現地で探せると踏んでいましたが、これは×でした。(写真下)
昔の面影を残しつつも、建て替えられてている所は少なからずあります。これは大洲に限らず倉吉(第44作)でも長浜(第47作)、我が郷土、龍野(第17作)でも同じで「名前をつけて保存」するより、より合理的な「上書き保存」を選ばれる方も多いのです。「上書き保存」されてしまいますと、残るのはその周囲の面影に頼るしかありません。

下は四つ角風景。何気ないカットですが、朝顔、ノースリーブ(ムームーか?)で自転車に乗るおばちゃん、リヤカーを引っ張る物売り、など夏の朝の雰囲気が良く出ているカットです。
残っている建物は正面角の「危・ない!スピードおとせ」の看板が掛かっている家と左奥の家くらいでしょうか。手前右は「二葉屋志保町店」というお店で左はそこの駐車場になっています。


Pinpoint Map !  ↑狭苦しい感じを持っていましたが体感は開けた感じかな?角が更地になると全然違います

             
 Click ↓




    【8】-1 実は超有名な四つ角だった!                    このページのTOPへ

上記の四つ角、「男はつらいよ」では単なる「切り絵」でしかありません。しかし「東京ラブストーリー」ではストーリーの終盤で話を盛り上げるキーポイントになる物があったのです。赤くて目立つ奴(笑)
そうです。昔風の丸いポストですね。今でも現役で使われているみたいで、地元のパンフレットにも「東京ラブストーリーでリカが別れの手紙を出したポスト」と掲載されています。
youtube左奥の電柱と止まれの標識が辛うじて見えています。


「東ラブ」でリカが完治に見つからないよう手紙を出すシーン。回想で最終回で映る

そのポストの路地向かいに「男はつらいよ」の角の家がある。作中ではわざと映り込まないようにしている感じ

 Click ↓


おさらいの意味で鞠子さんが歩いた軌跡とその周辺ロケ地(東ラブ含む)を載せておきます。ピンポイント地図は各記事のPinpoint Map ! をクリックしてください。





    【9】伊予大洲駅                                     このページのTOPへ


30:04、朝の風景のあとすぐに鞠子は大洲駅から帰京している様子です。今度は確かに上り電車に乗っていますね(笑)
このカットを撮るには、入場券(¥160)を買って向かいのホームまで行かなくてはなりません。切符売り場のおねぇさんに写真を見せると、すぐにカメラ位置を教えてくれました。
上りホームから改札口を狙っています。

現在、内子線という内陸周りの路線が出来ていて大洲駅が分岐点。新谷(にいや)方面が内子線。向井原駅に行くにはは予讃線(海側)でも、その内子線でも行くことが出来ます。
内子線は大洲方面へ行くショートカットの意味合いで作られたそうで、現在はこちらの方がメイン扱い。
車両は現在も電化されていなく気動車(ジーゼル車)のみの単線です。作品ではキハ52系と言う、今は亡き車両で、現在は・・・・えーーっと、遭遇しなかったので写真に撮れませんでしたm(__)m
wikiを見ていると、この映画から11年後の1988年5月に内子線の磯崎駅付近でダウンタウンヒーローズの撮影があったそうですね。


 Pinpoint Map ! 駅も増え、線も増えているのはJRにしては珍しいパターン

キハ52系。同じ塗り分けの写真。

 Click ↓


入場券






    【10】大洲城①                                      このページのTOPへ


さて、ここから帰京した堤鞠子(真野響子)さんと入れ替わって渥美清さんの大洲ロケが始まりました。場所は大洲城の石積みの北東角。遠くからディーゼルカーの汽笛が聞こえてきますが、実際には予讃線と少し距離があるので、あんなに大きくは聞こえないと思います。

「伊洲屋」で気前よく鞠子に「夕食のアユの塩焼き」やらお土産の「川魚の佃煮」をおごってやった寅は、領収書?を見ながら独り言。

「アユの塩焼き、600円!?そんな高いんだったら最初から言やぁいんだ。美味くもなんともありゃしない、あんなもの・・・・
「はぁ!佃煮1500円、あの女将も気が利かねぇな~もっと安いのにしてくれりゃぁいいのに・・・」


普通、金払ってから言うセリフじゃないんですけどね ┐(´ー`)┌ 関西人なら、いや、関西人でなくても普通の人は、まず値段を聞いてから注文するのに(笑)。
寅が粋な関東人だからなのか、鞠子に夢中で見境がなかったのかな?どっちにしても寅の自業自得なのですが、このセリフ無しには次のシーンが色褪せます。


Pinpoint Map !
今はベンチはありません。ロープで仕切られていますyoutube





   【11】大洲城②                                      このページのTOPへ

ぶつぶつ文句を言いながら金勘定をする寅。小銭がチャリーンと落ちる細かい演出(笑)

「なんだ、おい・・・500円一枚か!まいったなぁ、こりゃ・・・・」

「あとは小銭ばっかりだよ・・・あぁ~ぁ」


500円札と領収書をカバンの上に置き、小銭を拾おうとしたとたんに風に煽られた500円札と領収書は石垣の下へヒラリ。

「あっ!~あっ・・・・・ おいっ!」

今はロープ柵が張られていて、一応、立ち入り禁止区域内を設置していますが、当時は何もない状態です。公園として整備されたのは天守閣の復元が完成したつい最近の話(2004年)。
覗いてみますと、これが結構急で(あたりまえですが)足がすくみます。渥美さんは、体半分見えていますが演技するには恐ろしかったでしょうね。

石垣は撮影当時の物より新しく、ある程度積み直している様子が伺えますね。当時の苔跡がありませんでした。



本来の石垣下は樹木が生い茂り入れず、一段下の石垣。ここが一番当時の雰囲気があった。↓





   【12】大洲城③                                       このページのTOPへ


息を切らして坂を駆け下りる寅。走り始めてから10秒も経っていませんけど(笑)
天守閣の敷地から回り込んで下りる坂道は昔のまま。


Pinpoint Map !

おそらく、撮影当時から手を加えられていない模様。


次のシーンは寅が500円札を拾ってくれた爺さん(嵐寬寿朗)に茶屋でラムネをおごるシーンですが、今は全く見あたりません。聞くところによると、お城の改築にあたり、お店は別の場所に移転されたそうです。
この天守閣復旧については大洲市が積極的に動いていて、私有地(お茶屋)の買収移転や、天守閣の建築基準法特例について尽力されたそうですね。

アラカンさんが500円札を持って歩いている砂利道の背景から、もっと低い土地を想像していましたが、実際の茶屋はこの坂を下りたすぐの所だったそうです。(比較図参照)
昔の写真を見ると、お茶屋をはじめとして10数軒が移転していますね。大洲市の大洲城に賭ける心意気がわかります。
その甲斐あってか 2007年に「美しい日本の歴史風土100選」に選ばれています。


      Click ↓





   【13】殿様のおなりぃ                               このページのTOPへ



「あぁ、うんめぇ!どうだ?お爺ちゃん、うめえか?」

「う~ん、なかなか甘露じゃのう・・・」

「かんろ?ホッお爺ちゃん、おもしれぇこと言うな、昔の殿様みたいな口利くじゃねぇか(笑)あんパンでも食うか?」

寅はさらにあんパンを買い、お爺さんと一緒に町の方に歩いていきますが、街の人々はみんなお爺さんに頭を下げます。

「ナァお爺ちゃん、この街の人はみんな行儀いいねぇ、こりゃ、よっぽど殿様のしつけが厳しかったんだな。えぇ?
このまま二人は南下し三叉路を左に曲がりますとこの通りに出ます。近代的な建物でロケ地の雰囲気はありませんが、角にある石積みで気がつきました。
youtube石積みは全く手が加えられてなくそのまま保存されています。

花に水をやる伯父さんの家は鉄骨ALCの3階建てになっていましたが右隣はそのままです。↓

Pinpoint Map !

 Click ↓





   【14】藤堂家(加藤家)へ粗餐を頂きに行く寅①    このページのTOPへ


角まで来た寅はお爺ちゃんに別れを告げて左に歩いていこうとします。方向的には肱川橋を渡って駅に向かおうとしたのかな?
奥左に見えるのは大洲郵便局。右がJA。駐車場は市民会館駐車場で、大洲城に行くにはここが直近ですが有料です。
最初の予習(グーグル酷使・笑)では、YH(ユースホステル)の看板に惑わされて、お城西側を探していましたが×でした。現地は意外と狭い範囲にロケ地があり、続いているので間違うことはありません。

「えーっと、それじゃぁお爺ちゃん、これでな!」

「あーこれこれ!」と呼び止めるお爺ちゃん



Pinpoint Map !  ↑市内に案内板も多くてトイレも綺麗です。


 Click ↓


「この様な高価な物を頂いたゆえ、そのお返しに粗餐を差し上げたい」

「なんだい?ソサンって?」


「粗末な食事という意味です」




「兵頭食堂」は看板こそ下ろしている物の現存。右の行政書士事務所は某氏の選挙事務所となっています(笑)

赤い軒が兵頭食堂跡。右隣は壁に手を加えている以外ほぼ同じ。右の石碑は中江藤樹先生・・・・・?

 Click ↓





    【15】藤堂家(加藤家)へ粗餐を頂きに行く寅②    このページのTOPへ


ご馳走になるの良いけどよぉ~お爺ちゃん、そんなこと一人で決めて、後で意地の悪い嫁さんに怒られても知らねぇぞ、オイ」

「嫁はおらん!」


「一人暮らしかぁ・・・そりゃ寂しいなぁ」


寅は多分、行く気満々ヽ(^0^)ノ
一宿一飯の恩義をかけられるとは言え、一人暮らしの爺様に世話になる程度では、懐に500円札一枚と小銭しかない寅にとって渡りに船でしょう。

場所は少し移って旧加藤家の横を通っています。近代的に変わっている物を覗いて雰囲気は壊していません。
ここは通称「お殿様公園」と言って「大洲城三の丸南隅櫓」や国登録有形文化財「旧加藤家住宅主屋」があり無料で開放(外観だけ)しています


Pinpoint Map !

 Click ↓



  【16】藤堂家(加藤家)へ粗餐を頂きに行く寅③    このページのTOPへ



「よぉ、ぉ、よぉぉ??オジイチャン何所行くんだよ、お爺ちゃん! ダメだよぉ人の家入っちゃったら怒られるぞ!よぉっ」

寅の制止も聞かず、お爺ちゃんはお城のような(お城ですが・笑)家にスタスタと入ってしまいます。

この家には、執事の吉田(三木のり平)がいて家事をしている設定ですが、アラカン+のりへー+アツミやんですから(笑)昭和の喜劇映画てんこ盛りヽ(^0^)ノ
中の撮影も凝っているなぁ、と思っていたら、大船セットでなく、大洲高校内にある「県史跡至徳堂(しとくどう)」で行ったそうですが、確認は出来ていません。
開放してくれればありがたいのですが・・・・・ぜひ、中を見てみたいものです。

    

Pinpoint Map !

最初、旅館「伊洲屋」のモデルはここじゃないのか?と思っていました。







   【17】大善寺                                          このページのTOPへ


ここが唯一キャプがあって、場所も判っているのに訪れなかった「大善寺」です。で夕暮れのカットでカメラはほぼ真北を狙っています。よく見ればセンターに小さく大洲城が見えていますね。
えーっと言い訳すれば、最初の「法華寺」で山登り(地図を見る限りそうでもないですが)は辟易していたものですから( ;^^)ヘ..
大洲は盆地でいきなり山が険しくなります。作中でも色んな場所に山腹が映っていますが、想像以上に急でした。


Pinpoint Map ! ↑カメラは山門と平行に北向き。大洲城を見ています。↓

↓作中左下に映り込むお堂。カメラ位置は後ろの木のあたりでしょう。

 Click ↓    *写真を借用させていただいたblog m(__)m





   【17】大洲高校グランド周辺①                    このページのTOPへ


さて、お殿様の接待を受けた寅は、種を蒔いておいた「なんかあったら、とらやにおいでよ!」の芽が出ているか、とらやに帰って来ま・・・・ってか、このパターンはまだ成熟していない頃の作品でしたかσ(^◇^;)大洲で殿様の死んだ息子の嫁「鞠子」を探してくれと頼まれた寅は、「三日もあれば見つかる」と安請け合いをしてしまいます。たまたまとらやに帰って来た時に、偶然にも殿様がとらやに来ていたのでした(笑)

「鞠子は見つかりましたか?」

「まっ、鞠子って誰だい、そりゃ・・・?」本気で忘れているようですが、美人を忘れるわけはないのにね。

「ワシの息子の嫁ですよ!」


アラカンさんのギクシャクした演技とセリフが、殿様役にはハマッています。
引くに引けなくなった寅は「鞠子」を見つけ出すと確約してしまいますが、諦めた頃に大洲で出会った女性がとらやに尋ねてきました。まぁ、この辺りで初めてこの作品を見る人もストーリーの辻褄があってくるわけで、偉大なる馴れ合いと予定調和の心地よさを体験することになります。
これは、刺激こそ少ないものの、日本人の脳内には快感としてインプットされ、3回見るとそれはバージョンアップされると言う仕組みになっているんですね(^o^)

閑話休題

もちろん伊洲屋で出会った女性は、大洲で一晩わらじを脱いだお城のお殿様が探していた「堤(旧姓:藤堂)鞠子」だったのです。メデタシ、目出度なのですが、鞠子にはすでに結婚を意識した男性がおり、寅のはかない夢は、これまた毎度のごとくオジャンになるのでした。

画面は真夏のラストシーンへ。毎度のようにミンミンゼミの声+入道雲のカットが入り場所はまた大洲に戻ります。(おばちゃんのカキ氷造りやスイカを切るシーンはないです・笑)

なぜか事件の犯人のように寅は現場(笑)に戻ってきますね~
鞠子に振られた(ことになる)寅は、同じく鞠子に同居を断られた殿様を慰めるという大義名分を持って大洲の殿様の家に行きます。そこの執事の吉田(三木のり平)は殿様のお気に入りである寅を、今度は逃げ出さないよう見張っているのですが、窮屈になった寅┐('~`;)┌は、秘密裏にとらやに助けを求める電話を掛けています。

あっ、おばちゃん、ひどい目にあってんだよぉ~」

「えぇ?この糞暑いのによぉ、大洲で囚われの身だよ」
(バックには高校野球中継が入ってる)

この場所は大洲高校のグランドを挟む通路。通路と行っても北角にはお殿様の屋敷「旧加藤家」があり現在は観光用に道も整備されています。
大洲市はこの映画の後、お城関連の施設を町おこしの材料として考えたようで、イメージ重視のためなのか、係るエリア内の古い家や小売店など他の場所に移させたようですね。
お城の茶店は、聞き込み調査でそうだと知りましたが、寅が電話を掛けるこの店もそうだったのでしょうか?右奥に見える民家もありません。余裕の植樹帯になっていました。


Pinpoint Map !  ↑現在、奥に見えるのは大洲小学校




   【18】大洲高校グランド周辺②                    このページのTOPへ


あ-た、お屋敷へお帰りください!お殿様がお呼びです。」

「やぁだよ!オラァ東京へ帰るんだい。」


「またそんなことをおっしゃって・・・・」


カメラ位置はお店の中を出て南側を向きます。後ろは大洲高校校舎。大谷石の門は大洲高校の正門です。右後ろの石垣は綺麗に積み直されていました。


寅が電話を掛けた場所は、ほんとうにお店だったのかな?「氷」の文字が白々しい・・・・

Pinpoint Map !




   【18】大洲高校グランド周辺③                    このページのTOPへ


「言っとくけどな、オレはここの殿様の家来じゃねぇんだよ!」

「そりゃぁ、よく解っております・・アッそうだ、良いことを思いついた!今夜宇和島で花火がございます。大洲美人を車に積み込んでわっと繰り込む・・・」

「大洲美人、もう結構。どうせお駒かとんぼだろ?」

吉田の必死の説得にもかかわらず、寅は「東京へ帰る」の一点張り。寅はずんずん歩いて吉田を煙に巻こうとしてるようですが・・・そっちは殿様の家なんだけど(^0_0^)?荷物を取りに行くのかな(笑)そうか!(笑)背広もトランクも持ってないから公衆電話をかけにここまで出てきた設定なんですね(^^;)

道の向こうに大洲城が浮かびあがる構図です。この道は古くからお城から南に通している道で区画整理などとは無縁な道路です



新しい天守閣が良い感じで見える通り。左の石垣は当時のまま。右側はお殿様公園の付帯的に整備されています。





   19】大洲高校グランド                             このページのTOPへ


さて映画はそのままエンディング。カメラは大洲高校グランドの門から「終」の文字と「三の丸」が被らないようなアングルを選んでいますね。
何故かサッカーをする大洲高校生ですか、よく見てみれば一人一人違う色のTシャツを来ています。考えてみればこれだけバラけさす方が難しいんでないかな?(笑)
土のグランドだから色的にインパクトが欲しかったんだと思います。野球部ならこういう色出せませんね~

左の石積みと大きな木は撤去され、上の道の拡幅工事と同時に綺麗な石積み風擁壁に換えられています。


Pinpoint Map !

お店があった頃との比較。基本レイアウトは江戸時代から変わらない



甚だ簡単ではありますが、終わりますm(_ _)m

基本データ               TOPへ戻る