男はつらいよ第27作 浪花の恋の寅次郎 
瀬戸内ロケ
(広島県呉市 豊島、大崎下島)


注意書きがステキ!


第27作浪花の恋の寅次郎はロケ地の数が多いですね。ここ瀬戸内で寅は浜田ふみ(松坂慶子)と出会い、石切神社の参道で再開し、奈良の宝山寺でデート(笑)そしてふみさんの弟を探して大阪市港区へ・・・・・そして〆は対馬、と目まぐるしくロケ地は飛びます。寅のベースも大阪市浪速区の宿、と言う設定ですね。
今回のレポートは瀬戸内編です。実は恥ずかしながらロケ地の島々が橋でつながっていることを、つい最近まで知らなかったんです。で、寅友に教えられて「えっ!・・・・(-_-;)」恥ずかしながら訪問させてもらう事にしました(笑)

いつもは日帰りなんですが、今回は若干無理な行程なんで一泊です。一泊とはいっても寅のように贅沢な(笑)旅館ではなく、いわゆる「車中泊」と言うやつです。キャンピングカーほど大げさではない普段の車で、道の駅などパブリックスペースに駐車して一晩過ごすことを言います。やり始めると、これが中々楽しいもんで、話せば長くなりますから(笑)また別の機会に(^O^)/

今回のとらや騒動は「タコ社長失踪事件その②」(笑)その①と言うのは第22作「男はつらいよ噂の寅次郎」での「元祖・タコ社長失踪事件」で、かなり似たような展開になっています。興味ある方は一度比較してみてください。山田監督の、いわゆるひとつの手抜き^^;かもしれません(笑)
いつものように自分の思い込みから一騒動を巻き起こし、居づらくなった寅はひっそりと「とらや」を出て行きます。今回の行き先は瀬戸内海。広島県は呉市の沖合にある豊島、大崎下島です。




*大崎下島大長地区の地図を見る  ☚

*豊島墓場の詳細平面図 ☚

基本データ




 【1】 オープニング風景 



映像は一転、豊浜町大字豊島の室原神社(画面右下)の上に位置する墓場から見た風景。対岸は大崎下島の豊町久比の立花港付近の海岸です。(このカメラ位置は後に寅と濱田ふみさんが出会うあたりになります。)


Pinpoint Map !

*この写真は寅友の寅増さんのを拝借いたしましたm(__)m 現在は桜が生い茂っているため秋冬でないと見通しは効きません。


このページのTOPへ




 【2】 大長での啖呵バイ ①



上の遠景から一転、寅の啖呵バイの光景から瀬戸内ロケが本格的に始まります。大崎下島 豊町大長(おおちょう)の大長港。古くから「大長みかん」の出荷の起点として栄えた港です。恥ずかしながら、僕はこの地名の呼び名を知りませんでした^^;だいちょう?おおなが?んーーー正解は「おおちょう」と言う、一番言いにくい?発音だったのです。wikiによりますと当地でも呼び名の改変(おおちょう⇔だいちょう)が過去に行われたようです。

寅はちゃんと読めたのでしょうか(笑)
「とらや」をこっそり抜け出したあと、連絡船でここ「大崎下島 大長」にやってきました。いきなり海の前で商売をはじめます。今回のバイネタは女性用のムームー?とでも言うのでしょうか、夏物の衣料を吊り下げています。

現地はこれでもか!って言うほど車が岸壁に沿って停められています。もちろん自由駐車(笑)ウィークデイだったので、皆さんお仕事に忙しそうでした^^;


Pinpoint Map !  映像右隅に見える階段を下りて少し行くと高羽カメラポイントです。



寅が服をぶら下げるのにロープを括り付けていた電柱は木柱からコンクリート製に変わっています。


このページのTOPへ



  【3】 大長での啖呵バイ ② 



今回の啖呵は関西風にアレンジしてありますね(笑)いつもの「赤木屋、黒木屋、白木屋さんで・・・から「心斎橋から天王寺、一流のデパートで・・・」に変えていますが、ここいらへんで言われても全く通じません。映画をよく観てる人へのサービスでしょう(^O^)
奥に見えている橋は「大長大橋」。中央を少し高くしてあるのは満潮時に船舶のクリアランスを確保するためでしょう。

Pinpoint Map ! 船は減り続け、車は増え続けます・・・・・・

カメラ位置は「村尾昌文堂」と言う本屋さんの前あたり



このページのTOPへ



 【4】 大長での啖呵バイ ③  4ootyou


「おじさぁん!外してぇやぁ」

啖呵も最高潮に達した頃、突然、軽四のおじさんが帰ってきて寅に言います。なんと寅はこの軽トラの「鳥居」にロープを結んでいたのです。トラックはスズキキャリィトラック、今回の車両スポンサーですね。キャリィには大長妙見青果株式会社と名が入っています。バイをする向いが「妙見青果(株)」のお店でしたから一応、許可は得てるのでしょう(笑)現在は営業されていないようです。
僕は「大長みかん」が過去において日本一のブランド品だったことを知りませんでした。「愛媛みかん」なら何とかわかりますが^^;この大長みかんは周辺の無人島にまで耕作範囲を広げ、そこに行き来するために「農船」と言う船が広がったそうです。わざわざ船を使って島に渡り、段々畑で耕作、収穫するのは効率が悪く、高年齢者にはキツイ作業です。そのためか衰退の一途をたどっています。僕が訪れたときには一隻も農船を見かけませんでした。

カメラは南方向に変わり懐かしい丸善石油のスタンドを映しています。今はJA(農協)のスタンドです。

Pinpoint Map ! 係留されている船は小型漁船とレジャー船だけ・・・・・




丸善石油(現コスモ石油)と言えばこれ(笑)



このページのTOPへ



 【5】 山の上の墓場にて ① 


youtube ☚ お地蔵さん・お墓への入り口です。映像中、左右反対に説明しています^^;
シーンはいきなり変わります。山の上にある墓場で、あんパンと牛乳でのランチ(笑)いくら見晴らしが良いとは言え、こんなところで飯食うなよなぁ(笑)
で、場所は大崎下島の隣、「豊島」の旧小野浦地区。宮原神社上に位置する墓場群の一角で撮影されています。
現在、お地蔵さんは現在は立派な祠に入れられて祀られています。今の時期(夏場)は背景すべて桜に覆われていて見通しは効きません。僕の写真は真逆方向からです。



Pinpoint Map ! 通路はすべてコンクリート舗装されています。

お地蔵さんの顔を撮り忘れていたため、またもや寅増さんのお写真を借りました^^;




このページのTOPへ



 【6】 山の上の墓場にて ② 



寅の左上に見えているのは、かなり名家らしい立派なお墓なのですが、今は通路の下に埋もれていますし、全く見通しが効きません^^;位置関係を検証するために現場で確認したのが下の写真です。木に埋もれていますね(笑)お地蔵さんから斜め上に15mほど上ったところ。今は土(斜面)の部分はありませんが位置関係は全く変わりません。


Pinpoint Map !  夏作品の割には緑の部分が少ないのが気になります。




このページのTOPへ



 【7】 山の上の墓場にて ③ 



寅が食事をしている隣には、少し形の変わった石碑があります。「越智宮子姫命 奥都城」と向かって左側の石碑には書かれていますが、やはりお墓なのでしょうか?歴史音痴の僕にはワカリマセン^^;

寅の座っているところは道ではなく、この碑とお地蔵さんへのアプローチ部分になりますね。

Pinpoint Map !  この雪印牛乳の瓶は丸ではなく六角形だったと思う。


このページのTOPへ



 【8】 山の上の墓場にて ④ 




寅が人の気配に振り向き、美人を確認して二度見します。これがまた絶妙のタイミングなんですね~そしてシーンが替わってからセリフが全くありません(笑)。
この墓場で飯を食って、その上、通りすがりの美人に声をかけようとするなんて、考えてみれば、寅はやっぱり正常じゃないです^^;

お墓をよーく見比べていただくと、ばっちりですね(^O^)/増えたり、囲いを新しく直したりしている部分はありますが、おおむね位置関係はそのままです。

Pinpoint Map !





このページのTOPへ



 【9】 山の上の墓場にて ⑤  



おふみさん(松坂慶子)は死んだご主人の墓参りに来た訳ではなく、おばあさんのお墓に参りに来たのでした。当時は桜の植樹がまだされていなくて、夏場でもこのような景色が望めたんでしょうね。現在、似たような景色が望めるのは、少し手前にずれた場所しかありません。

我々のような物好きや、観光客などはめったに訪れませんから、このように木々で見通しが効かないとガッカリするものですが、良く考えてみれば、このような場所で木を大きくするのは、台風に対する防風林の役割や、夏の時期の木陰を作ったりと、日常的に役に立っているんですね・・・・・
ここまで1分と15秒、セリフはありません。映像から聞こえてくるのは、船の汽笛の音と、トンビの鳴き声と、子供たちの遊ぶ声だけでした。


Pinpoint Map ! 写真は似たようなアングルを探して撮りました。遠望ですからさほど違和感はありません^^;

現在の墓の位置から撮った風景☟お墓は浜田ふみさんの祖父母のお墓です(笑)




このページのTOPへ



 【10】 山の上の墓場にて ⑥  



「お身内の方ですか?」

「はい・・・」

いきなり背後から声をかける寅。しかし、あまり動じず振り向くおふみさん・・・・・寅がおふみさんを見つけてこの墓まで来るには、50mくらい歩かなくてはなりません。もしかしなくても^^;おふみさんは、すでに寅が背後にいるのに気が付いていたと僕は推測しています。最初に坂道のところで軽く会釈した時に、寅の風体から同類の匂いをかぎ取っていたのじゃないでしょうか。そうです。この松坂慶子さん扮する「浜田ふみ」も目利きの出来る職業だったんですね(笑)

今回のこのロケ地の訪問の目的は、このお墓を探してお参りをするのと、お地蔵さんとの位置関係を解析する事だったので、まずこのお墓を特定することに時間を割きました。
予習では、二人の背後の風景(と言ってもお墓群)から見て、前半の部分(おふみさんが坂を上っているシーンまで)と、ここから先の寅が探りを入れているシーンとでは場所が離れていると思っていました。ですから、かなり奥まで行ったり来たり・・・・・ようやく、後で出てくる家型のお墓を特定して、そこの位置関係から無事、判明に至りました。

しかし・・・・・人様のお墓を探して右往左往する様は、現地住民の方に目撃されたらどう思われるでしょう・・・^^;冷静に振り返ってみても、変な趣味ですね(笑)


Pinpoint Map !

浜田家?お墓全景☟


このページのTOPへ



 【11】 山の上の墓場にて ⑦  



「旅のものですが、通りすがったのも何かのご縁
お線香の一本でも上げさせてくれますか?」


「はい、ありがとうございます」

寅のなかなか強引なアプローチ。でも、寅もおふみさんの最初のリアクションから素人ではないな?と気が付いたんじゃないでしょうか?だからこその積極性だと思うんです。玄人同士の静かなせめぎあいはここから始まっていたと(笑)

僕の写真は方向が少しずれてしまいました^^;寅の左にある家墓の壁を見切らせるのに神経をとられました。映像では中央にある家型の墓が、僕の写真では右端になっています。右の低いブロック塀も角だけです(-_-;)
これを見比べても高羽カメラはかなり望遠を使って、後ろから撮影しているようですね。



Pinpoint Map ! 右側のブロック塀も端っこしか映っていませんでした(-_-;)







 【12】 山の上の墓場にて ⑧  



「南無阿弥陀仏・・・こんなお美しいおかみさんを残して
先立たれたご主人は、さぞかしお心残りだったでしょうねえ。
お気の毒です」


「ふふっ・・」

「えっ?何か?」

「うち、主人はいません。これはね、おばあちゃん」

「あっ、おばあちゃん!…おばあちゃん、南無阿弥陀仏…」

まずは探りを入れます(笑)独身チェック。変な、と言うか仁義通りと言うか、人妻は寅の守備範囲にないのが立派。もしこのお墓が寅の言った通り、おふみさんの御主人のであれば、「それじゃぁ、お気をつけて・・」と潔く去るはずです。まずは成功、つかみはOK!と言った所でしょう(^O^)/

このカメラ位置は現在では階段状の墓場に整理されていて当時とは全く違っています。このお墓の裏側も綺麗にされ、新しい墓が建立されていました。
僕のカメラは目標となる家型の墓(北吉家之墓)の方を向いて、逆方向の通路から撮っています。特徴あるひさしと凝った造りから、北吉家はかなりの名家と推測されます。
下の写真の中央の通路をずーっと歩いてこなければこのお墓にたどりつけません。この通路の端の木陰の下に、お地蔵さんの位置から見えた墓が埋もれて(笑)います。

Pinpoint Map !




このページのTOPへ



 【13】 山の上の墓場 平面図及び詳細図 




寅の探りとつかみは完全に成功したようです。まぁ、玄人同士のお洒落な会話ともいえます。
このやり取りが行われた豊島(旧;小野浦地区)のお墓のピンポイントは1/1500でも判りづらいと思いますので、図面に起こしてみました。
相関関係はだいたい合ってるはずです(笑)


youtube *動画で距離を体感してください。  




このページのTOPへ



 【14】 墓参りから海へと歩く二人 ① 



両親とは訳があって小さいときに別れたんです。
だからウチはおばあちゃんに育てられたの」



「へえぇ・・じゃあ、あんた、そのおばあちゃんと
一緒に暮らしていたのか?」



「ううん、ウチは大阪で働いてるの。だからおばあちゃんに
何べんも大阪で一緒に暮らそうっ!て言うたんだけど
どうしてもこの島を離れるのは嫌だぁ言うて・・」


ウチ、のイントネーションが気に掛かる関西人です。まぁ、一人称にこれを使う人は基本的に好きなんですが(●^o^●))

すっかり打ち解けた?二人は墓場から歩いて降りてきました。ここまではそこそこ距離も高低差もあります。道のりは、雪駄履きでは少々辛いコンクリートの坂道ですが、ずいぶん楽しそうですね(笑)。身の上話をしながら、連絡船乗り場に向かっています。
この平坦な坂道は右に見えるループ橋からの道路に続きます。右は室原神社の敷地になります。右下の見切れている広場は、実際に見ると、とても野球ができるような広さはありませんでした^^;


Pinpoint Map !




このページのTOPへ



 【15】 墓参りから海へと歩く二人 ② 



「そうだろうなぁ~年寄りにとっちゃ自分の生まれ育ったところが
一番いいんだろうな・・」


「この島、良い所だしね。」

しかし、現実の瀬戸内海の街はなかなか手ごわく、階段が終わったと思えば坂道、これが最後と思えばまた階段、と言った風な造りです。どうやって建てたんだ?と思う家が目の前にポンと出てきたりします。こういう地形って上下水道工事なんか、ものすごく大変なんですよね・・・・いやぁ・・・思い出したくない(-_-;)
室原神社の鳥居をメインに細い路地から撮影しています。


Pinpoint Map !



このページのTOPへ



 【16】 墓参りから海へと歩く二人 ③ 



「大阪で何やってんの?工場勤めだろ?・・・・じゃぁOLだ。」

「ううん・・」

「えっ、あぁ!郵便局、郵便局勤めてる・・・」

さて、この会話にさほどの意味もありません。寅はもう感付いているんですよね。浜田ふみさんが水商売系の玄人さんだってこと。工場でも郵便局ないことを判っているから、からかってるとでも言いますか、そんなところでしょう(笑)

ところで、二人が出てきた脇道、実は全然違う場所なんですね(笑)二人が鳥居をくぐって真っ直ぐ歩けば、このカメラ位置には来るんですが、二人が出てきた道は全く違う路地ですね。このシリーズでは往々にしてある事ですが、実際にロケ地を巡ってみるまでは判らない事です。こう言う所を探し出すのもロケ地探索の醍醐味ですね(^O^)/

正面の家の2階にある地図のようなものは、よく見れば段ボールを展開した物だったみたいですね。赤い鋼製の手すりはそのままでした。


Pinpoint Map !

調査をすれば全然別の路地からの撮影でした。





このページのTOPへ



  【17】 船着き場での別れ ① 



「当分はまだこの島にいるかい?

「おってもしょうがないよ、初七日もすんだし、
2、3日うちには・・また大阪に戻んなきゃ。」


「大阪に戻るかぁ…」

「お兄さんこれからどうするの?」

「う~ん?へへっ、風の吹くまま気の向くままよ!」

「自由でいいねぇ~魚みたいに…」

このシリーズの代表的な謳い文句「風の向くまま気のくまま」って言うフレーズはここから生まれたんですねぇ~実にヨロシイ(*^^)v
この場所は現地に行けばすぐに判ります。赤い渡り橋のかかっている浮桟橋は目立っています。微妙に位置がずれていて渡り橋も取り替えられているようでした。
お文さんの左に見えている祠?は台風被害にあって現存しません。さらにその方向には大きなビルが建っています。右側の高台に目立つ民家はそのまま現存していますが、すごい所に建っていますね(笑)


Pinpoint Map !




このページのTOPへ



  【18】 船着き場での別れ ② 




船・・出しますよ

「おう!」  「じゃあなっ!」

「お兄さん・・?・・・名前なんて言うの?」

「あっそうそう、オレな、東京は葛飾柴又の
車寅次郎って言うんだ。人は「とら」と呼ぶよ(笑)」


「とらさんね!」

「そう、えへへへ…娘さん、あんたの名前なんて言うんだい?」

「浜田ふみ(´▽`)/

「おお、じゃ、おふみさんか(*'▽')

これは、いわゆる、仁義を切ったんでしょう。玄人同士ならではの味わいがそこはかとなく出ています。寅も、いつになく自信満々に自己紹介をしていますね。きっと、おふみさんが自分を受け入れてくれることを確信したんだと思います。素人美人には何時も熱に浮かされたように惚れてしまう寅が、後ろ髪を引かれることなく、淡泊に去って行ったことを見ても、寅が一線を引いているのが良く分かります。一期一会と割り切ったのですが、さてさて(笑)・・・(*^。^*)
このシーン、「第29作寅次郎あじさいの恋」でかがりさんとの別れと比較してみると面白いですね。

そしてこの別れのシーン。セリフではなくおふみさんの一挙手一投足に、実はすごく味わいがあるのです。これについては僕のような若輩者が語るより、超本編派の師匠、吉川孝昭さんのサイト「男はつらいよ覚書ノート」で堪能してください。(^O^)/ でわ~再見!


Pinpoint Map !





TOPへ戻る              基本データ